2008年01月22日

残波 28年

残波 28年

沖縄における減圧蒸留機の導入は、昭和50年代前半と言われる。

時期が断定出来ないのは、各酒造所が技術や機械導入時期を明かしていない為だが、

比嘉酒造(読谷)では、早くに公表し、女性でも飲み易い「残波」を売り出した。

昭和55年発売当初の残波は、赤い字「残波」が印象的で、

荒々しいラベルとは正反対に、フルーティーで飲み易い、ライトな味に仕上がっていた。

女性向けの呑み易さは、今でも健在ですが、当時から爆発的人気。

後に減圧蒸留の魅力が広がったのは、言うまでもない。

さて、人気を集めた減圧蒸留だが、

マイスターの講習会では、

「後留に出る高沸点の成分が得られず、味わいのある古酒には向かない」と、伝えられていた。

飲んでみないと分からないので、本日は30度だが当時のものをテイスティング。

その結果、以外にも評価は良かった。


以下は結果。

◆香が弱いが、減圧の香は無い。

◆味は軽快で甘みがある。

◆かすかな減圧の香と少々渋みが残る。

◆飲み易い。

◆うっすらと古酒香。

◆すっきりした味。甘み。ロックで飲みたい。

◆ソフト。やわらかく包む感じが良い。

◆華やかだが、味わいは30度。飲み易くスイスイいける。

◆スッキリとした呑み口で、一日中呑んでいたい。

◆甘さが舌に残る。

なかなかの結果でした。





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Posted by 住職 at 18:09│Comments(4)泡盛
この記事へのコメント
私が持っている琉球ガラス入り残波20年(1992年復帰20周年記念古酒)

43度は、1972年蒸留となりますが、常圧・減圧蒸留のどちらになるのか?

住職さんのご意見をお願い致します。
Posted by utc24_minei at 2008年01月23日 10:17
mineiさんいつも、ありがとう御座います。

私も調べながら、勉強になります。

72年の「残波」ですが、そのころでしたら、常圧です。

「九州の酒由来と技術」というサイトページの中に、「日本醸造協会雑誌」の記事がありました。(以下)

「減圧蒸留機導入の経緯」 宮田 章氏  

 減圧蒸留機を本格焼酎に導入した経緯についての白花酒造(株)(現 喜多屋(株))の木下社長によれば スコットランドのウイスキー、フランスのブランデーなどは世界で高級酒として高い評価を受けているのに対して、我が国の焼酎は、我が国伝統の蒸留酒でありながら、下級酒と見なされていることのに対して、以前から疑問を持っていた。
 焼酎が癖が強く飲みにくい原因は、製造技術が拙劣なためではなかろうか、低品質原料を使用するためではなかろうか、等の理由について検討してみた。フランスのコニャックが、フランスの国民酒であるワインを蒸留してできるのであれば、我が国の国民酒である清酒を蒸留すれば、コニャックに匹敵するような「清酒ブランデー」といえるような高級な蒸留酒が得られるのではないかと考え、清酒を蒸留して焼酎を造ることを試みた。しかし、得られた製品は、焼酎特有のくせ、焦げ臭があり、味も重く、蒸留前の清酒の芳香は得られなかった。
 失敗の原因を考察した結果、焼酎特有の臭味、焦げ臭はこうじ由来の種々の成分が蒸留中に熱によって分解し、これが製品中に移行するのではないか、もし、そうだとすれば、清酒を減圧下で低温で蒸留すれば、清酒の芳香をそのまま製品に移行できるのではないかと考え、当時国税庁醸造試験所の主任研究員であった、永谷正治先生の協力を得て、減圧によるテスト蒸留機を設計した。
 この図面を酒造機械メーカーであるケーアイ酒造機(株)に示し、減圧蒸留のテスト機を製作させ、昭和48年9月蒸留試験を行い好結果を得たので、引き続き実容量500リットルの減圧蒸留機を製作させ、同年9月に白花酒造(株)に納入された。この蒸留機が蒸留酒製造のために導入された我が国最初の減圧蒸留機になったとのことである。
 ケーアイ酒造機(株)の生田社長によれば、その後、昭和49年に、米製焼酎蒸留を目的として、熊本県の人吉地区に2基設置され、(筆者付記:設置製造場は(資)高橋酒造本店 白岳、六調子酒造(株) 六調子) 以後、球磨焼酎の産地人吉地区で活発な動きを見せ始めた。
  このように清酒の蒸留を目的として開発された減圧蒸留機は、その後、米製焼酎の蒸留を目的として、熊本県の人吉地区で広く使用され始め、さらに、米製焼酎白糠焼酎生産の多い福岡県に広まり、その後、穀類を原料とするすべての焼酎の蒸留に、広く使用されるようになり、全国に普及していった。
 このようにして、我が国に焼酎の製造法が伝えらっれて、以来、約450年間続けられていた常圧蒸留は、減圧蒸留の技術が導入されてわずか、10年という短期間のうちに、減圧蒸留にその座を明け渡してしまった。


本文中にもありましたが、その10年の内に沖縄にも導入された事が分かります。

ですから、72年は常圧ですよ。
Posted by 住職住職 at 2008年01月25日 07:06
コメントが遅れてすいません。

減圧蒸留の導入のことががわかりました。

毎度のことながら、住職さんには感謝です。

これからもよろしくお願い致します。

ありがとうございました。
Posted by utc24minei at 2008年02月02日 20:24
こちらこそ・・・です。
私も勉強になっています。
これは、本文に載せたい文書ですね。
Posted by 住職住職 at 2008年02月06日 07:03
 
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