仕込み水について 2

住職

2023年12月10日 22:00



仕込み水を減じると、詰まった酒が出来る。

実際に口にすると、普通の人でも感じるほどの違いです。

過去には、汲み水を10%減じただけで、杜氏が感動していました。

酒造所の特徴が、いつもよりはっきりと表れている・・・。

そうなると泡盛ですから、熟成後の古酒感に、更に興味を抱くところですが、

それも、期待通りでした。

首里に伝わる数百年の古酒って、今とはレベルが違う気がする・・・。

そう感じた瞬間でした。


そう感じると、当然疑問が湧きました。

汲み水の違いでで、何がどう違ったのか?

モロミに含まれる高級脂肪酸と高級脂肪酸エチルエステルは、

沸点が高いので、蒸留してもほとんど残留モロミに残りますが、

一部、酒に入ってきます。

その証拠に、蒸留後のタンクには、目に見えるほど油が浮いています。

重い成分の油(脂肪酸類)は、一部アルコール分と共に蒸留される。

脂肪酸類はアルコールとともに泡盛に風味を与える香気成分として知られています。

そして、その脂肪酸類は、古酒の香り成分としても重要な役割を果たしています。


私の考える結論では、

汲み水が少ないと、発酵終わりのアルコール度数も若干高くなります。

蒸留作業では、急速に蒸発現象が起き、供に引っ張られる脂肪酸類も多くなる。

その他にも、風味に影響する重たい成分が、供に混入しやすくなるのではないか?

そんな現象からの結果だと考えています。


前述しましたが、酒の味わいを決めるのは、水とエタノール以外の、

微量な香気成分です。

その割合は、0.2%程度とも書きましたが、

汲み水を下げると、その成分をもっと上げている可能性があります。

甘い香りのイソアミルアルコールやバナナのような酢酸イソアミル、

バラの香りを感じるβーフェネチルアルコールなどなど・・。

酒造所の特徴を強くしているのは、同じモロミの造りから、

より特徴ある成分が多く含まれるから。

文章、下手ですが、伝わりますか?

以上です。





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