2011年12月26日

どなん



60度ですが、泡盛のカテゴリーですみません。

先日開けた「どなん」60度です。

マニアには有名な話ですが、158番地のラベル表示は、

平成2年から舞富名の番地になり、それ以前のボトルであることが、

ラベルで確認できます。

20年以上は確実な60度古酒ですが、この時期に飲むと、

やはり熟成感が悪く感じているのか?とも思えます。

ま~若干でしょうが、もう少し暖かい夜に開封すればよかったかな~・・と反省。

でも、以前クース会で飲んだ60度とは、

10年以上の開きが有りそうだ!と予感しました。

液体の粘りも、もっと強かったように思えます。

更に蓋をして待つ・・・とします。
  


Posted by 住職 at 07:46Comments(0)泡盛

2011年12月22日

大臣シールについて

先日、この「寿」を手に入れたのですが、

友人に、この手のクース(キャップシール琉球泡盛)数本を10万円で譲りました。

私も売ったのではなく、右から左紹介しただけだったのですが、

この値段を見ると、安売りしたかな?と考えてしまいました・・・。




過去何度か掲載したこの大臣シールについてですが、

この程、質問コーナーでご質問いただきまして、知り合いに尋ねました。

面白い情報だったので、本文に掲載いたします。

このシールについては、大蔵大臣ですから、

日本復帰前後の商品に付いていたと認識していましたが、どうも違っていたようです。

このシールは、復帰後に国税が入ってきて、

度数の管理をしたS52年からS58年に使用されていたと聞きました。

質問は、佐久本政敦氏著書の「泡盛とともに」P157の写真について、

「紺碧」5年(S53)ものが、復帰前後のシールではおかしい・・・とのことでしたが、

上記のことから、S52年に当たりますから、シール使用開始年となっており、

聞いた情報と合致します。

しかし、他の話でおかしなこともあるのでは?・・・と、

幾つか質問もしました。

もともとそのシールは、大臣が度数を認定するシールで、

それ以前は、キャップシールで用を済ませていたそうです。

又、このシール以後は、酒造組合連合会に移管され、

ひし形の管理番号が付いた度数表示シール(紙)が使用されていたこと。

今は、ラベルの表示で十分となり、各社の管理で度数表示のシールが有ること。

などを知りました。


更に、45度の泡盛にその大臣シール(甲乙表示)がある話では、

復帰から、約5年は、酒税法の管理もテーゲー(いい加減)だったようで、

甲乙の事、45度未満の管理も、各酒造所バラバラだったとか・・・。

特に、那覇市内の某大手酒造所は、45度(表示)の酒を大量に出荷していたそうです。

大臣シールに45度があれば、その酒造所が8割とも聞きました。

要は、復帰後も5年くらい45度を造っていたんです。

在庫もあったのでは?と質問すると、「在ったかもしれません!」との回答でしたが、

5年の在庫は、長いような気がします。

ですから、あのシール、S52~58という事で、事情が変わってきました。

表示の情報でした。  


Posted by 住職 at 09:59Comments(23)泡盛

2011年12月19日

ワインに学ぶ熟成(飲み頃の論議) 2



一度書いたのに消えてしまっていて、パニックってしまいましたが、

めげずにもう一度書きます。



ワインの飲み頃のデータについて、有名なワイン評価雑誌

「ワインアドヴォケイト」では、以下のように表現しています。


YOUNG(ヤング)   ・・・推薦される飲み頃の前期に達していない

EARLY(アーリー)   ・・・推薦される飲み頃の前期に達しているもの

MATURE(メトー)   ・・・推薦される飲み頃の中期に達しているもの

LATE(レイト)     ・・・推薦される飲み頃の後期に達しているもの

OLD/PAST(オールド/パスト)・・推薦される飲み頃を過ぎているもの


参考までに、蒸留酒であるブランデーは、

コニャックかアルマニャックかは、少々違いがあるものの、

スリースター、VO、VSO、VSOP、ナポレオン、XO 

と6段階に熟成年数で表示されており、

最終的な消費者目線での表示が、年数なのか?、味なのか?は、

それぞれ、酒類のセンスや信用とも取れる表現になっている。

無難なのは、年数表示のブランデー方式。

以前にもブログに掲載した覚えはあるのだが、

下町のナポレオンが爆発的な売れ行きに繋がった「いいちこ」。

日本人も戦後、外国酒へのステータスを感じたというエピソードになっている。

とはいえ、どう表現したらいいのか?

難しいところです。


消費者の立場で考えると、風味を中心に考えた方が良いのですが、

年数違いで、熟成感が違うことになり、各酒造所は困る結果になるはずです。

また、鑑評会のように、流行の香りやその時のテーマなどで、受賞の対象にならなかったり、

評価の結果に、納得できない場合もあります。

やはり、クースに関してなら、ファンが感じる明らかな「クース香」を、どう捉えるか。

飲み頃のピークを表すには、代表的なクース香が重要ですから、

その風味や強弱を、しっかり分析しなければいけません。

やっぱり難しいところです。

誰か、カリスマが現れ評価してくれませんかね?


  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)泡盛

2011年12月17日

本日、忘年会



本日、今年最後のクース会の忘年会が東町のクルールで行われます。

この後、私も準備で出かけますが、

今日のクース会は、7人かな?

もう少し、入れたかったですね。

ブログご覧の方で、参加希望者は電話お願いします。

でも、マナーは求められますので、宜しく!


もともと、秀ちゃんのクース会を基礎に行う予定が、

皆さん忙しいんですね。

今回は、メンバーは5人でした。

あとはゲストですが、ほとんど私の主催ですから、

私も売れば5万は下らないクースを持ち込みます。

25年以上のどなん1升43度は、メインで飲める酒ですが、

私的には、最高の飲み頃に近い、熟成感だと思います。

1974年請福43度、春雨22年44度、玉友43度25年、

甕酒ではシャム、琉球甕2種類。

その他、大判振る舞いです。


会費5000円ですが、1万円でも元が取れます。

ということで、今晩は楽しみです。  


Posted by 住職 at 16:12Comments(4)泡盛

2011年12月16日

ワインに学ぶ熟成(飲み頃の論議) 1



前回は、酸化物とアルコールによる変化「エステル化」の話をしました。

考えると、ワインは泡盛と比べ、アルコール分が少なくてエステル化が進みやすい。

ですから熟成の速度も早く、品質が悪くなりやすい。

あくまで泡盛との比較ですが・・・。

しかし、それをコントロールする環境を整備することで、

最高の飲み頃である「熟成のピーク」を掌握できています。

(ピークとは、化学反応の状態で最も均衡の取れた状態!とすると、

それ以上進めば、熟成の状態は、崩れ始める・・・

あくまでも、我々の官能レベルで感じるところです!)

ワインの熟成は、エステル化だけではなく、他の要素もありますので、

香りや味に影響の大きいエステル分を、まず、

温度・湿度・光から厳重に管理された環境の中で、コントロールし、

健全な熟成をさせる・・・というか、ゆっくりと育てる。

その結果、タンニンなどの熟成(和らぎ)とのバランスが取れ、

飲み頃も判断しやすくなる!というメリットが得られます。

ワインは、その飲み頃の期間をエイジング・ポテンシャルと呼び、

最初(瓶詰め前)の状態から、エイジング・ポテンシャルが予測できるほど、

熟成にふさわしい環境が、学ばれた飲み物なんですね。(関心・・・)


深く調べれば調べるほど、(ワインと比較すると)泡盛の歴史はまだ浅く、

熟成で得られる品質にも、まだ研究の余地が大きい!と感じます。

泡盛の熟成環境は、10度~28度位までが適温といわれます。

人間の生活環境が、泡盛に合っていると言われますね。

勿論、沖縄県下での自然条件です。

「泡盛は置いておけば熟成する!」といわれる所以でもあります。


適温以外を考えてみると、

低い場所では、分子の動きが緩やかになり、酸化熟成も鈍化する。

そして、-5度にもなると、ほとんど熟成しない!というデータもあるようです。

一方、温度が高いと、瓶内蒸発という現象が起き、成分の分離が始まる。

熟成の一つ「物理的変化」で、得られた

「クラスター化」した水とアルコール分子が熱により離れれば、

ビンのヘッドスペース部には、水滴が付き、再びアルコールの刺激が戻ります。

すなわち、新酒化するというデメリットを起こします。


やはり泡盛も、ワインと同じ環境を整備することが第一で、

正しい熟成環境を調べなければいけません。

これも、知らず知らずワイン習い、「温度の低い環境」とか、

温度の安定したガマの中がいい!とか言われますが、果たしてそうでしょうか?

私は、幾分高い温度域までの、±15度くらい範囲で安定した暗所で、

音楽など振動のある環境が、良いと予想しています。

それは、自分の経験と、焼酎の熟成研究などの知識から得たものですが、

ワインよりは、泡盛に向いた熟成環境だと感じているからです。


ワインに習い、エイジング・ポテンシャルを設定するとすれば、

ワインでも飲み頃を掴むのは難しい。

ポテンシャルと言うからには、力が残っているか?を知るわけですが、

ワインには、初めから飲み頃のワイン(既にポテンシャルが最高)もあれば、

30年も50年も先に、飲み頃があるフルボディーなタイプもある。

勿論、飲み手の違いも有りますし、飲み頃の設定は難度が高い。

しかし、ワインでは、それを掴むために、長くデータを得て、

ランク分けのような仕組みも持っています。


これも、2が必要ですね。

続きます。  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)泡盛

2011年12月16日

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ)4



話を引っ張ってしまい、瓶熟に関することだけで、シリーズ4になっています(笑)。

最後は、ワインでも複雑なエステル香の話です。


熟成に関する変化で一番官能に訴える事を泡盛に例えてみます。

メインの変化ともいえるこのエステル香!

ワインにおいて、アルコール分(エタノール)と有機酸の化学変化です。

いわゆるエステル化ですから、あらゆる酸化物とアルコールが反応し、

色んな香味を醸す。

ワインに代表する酸化物は「酒石酸」という有機酸ですが、

エタノールと反応すると、香味成分になりながら、

澱のように浮遊したり、沈殿する成分も生成します。(書き忘れてました)

沈むものは酒石とも云われ、デキャンティングで飲まないようにするのですが、

浮遊する成分は、ワインのダイヤモンドとも呼ばれ、

酸性酒石酸カリウムがその正体だそうです。

化合物した結果、香味成分も生成されますが、他の物質も生まれる。

これは、ほんの一例です。

その他の有機酸では、クエン酸、酢酸、コハク酸・・・などなど、

数限り無く、醸造酒であるワインは、泡盛など蒸留酒と比較すると、

有機酸が多く、様々な香味を楽しめるお酒であるように感じます。

一方泡盛はといえば、泡盛ファンに周知されつつあるのは、

脂肪酸などの有機酸との化学変化です。

アルコールと反応すると、脂肪酸エステルになり、色んな香味に変化します。

「高級脂肪酸」という白濁原には、油脂成分と言ったり、

油分と言ったり・・・、代表して高級脂肪酸とも言いますが、

脂肪酸の高級とは、炭素分子の数が関係しており、12個以上の成分。

重いので、後留成分として蒸留され、良い香りとしては扱われません。

それが、アルコールとの反応で、良い香味として化学変化する。

泡盛の香りサンプルには、カプリン酸エチルとかカウリン酸エチルとか、

酸化物とアルコールが化学反応した成分が入っています。


ワインに学ぶという話で、同じ成分もあるはずですが、

私には調べられず、ここまでです。


ここまでくると書くと、熟成の仕組み(進行度)から、

化学変化のバランスの良い状態(飲み頃)も、

書かなくてはいけません。

この点では、ワインに学ぶことは多い。

泡盛ではほとんど語る人は居ませんし、勉強が必要な部分です。  


Posted by 住職 at 07:46Comments(0)泡盛

2011年12月15日

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ)3



ワインに学ぶ熟成んの仕組み・・・ですけど、

ワインの複雑な成分と対比する泡盛の成分は、難しいし案外少ない。

でも、重なる部分があれば!ということで、をワインに習い、

泡盛の熟成を考えてみました。

酒類でいうと、「醸造酒」と「蒸留酒」、という大きな違いがあります。

泡盛の工程である「蒸留」は、アルコールの濃縮という主な目的を経る一方で、

あらゆる成分が除去されます。

糖分(ブドウ糖)が除かれるのも大きい。


蒸留前の泡盛は、蒸留前のもろみを絞ったなら、

(米焼酎なので)日本酒のような酒です。

前回触れた熟成による「色」を、日本酒に置き換えると、

日本酒の色は本来、「山吹色」として現れる原料由来の色がありますが、

品質の悪いイメージになるので、濾過技術で取り除いているそうです。

濾過では、色や味まで変わりますが、

それが評価され、今の日本酒のメジャーな姿になっている・・・。

無色透明な日本酒は、化粧したようなものなんですね。

最近は、その日本酒にも古酒が出ており、

ウイスキーのような琥珀色を帯びています。


そして、日本酒で色の成分は?というと、

酵母が生成するアミノ酸やデンプンが糖化した成分

(ブドウ糖)などが変化して持った色だそうです。

ここまで引っ張りましたが、

蒸留で抽出しないアミノ酸や糖類でしたか・・・。

でもヒントとすると、あとで育つ旨み成分などは、

アミノ酸のグルタミン酸など、

色を持つ成分に変わっているのかも・・・です。


色に関する話でしたが、最後は余談に近い話になりました。

思いつきでしたが、清酒の古酒も色を持っていましたので、加えてみました。

でも、私は、蒸留では混入しない(アミノ酸や糖分)とは言っても、

幾分、混入するものがあるかも知れないと考えてしまいます。


なぜかというと、清酒の古酒香が、カラメル様な香りを伴いますが、

その香りが「老香(ひねか)」と呼ばれていて、

「ソトロン」という成分の存在が関係するといわれているからです。

そのソトロンは、昔、マイスター講座の講師だった杵鞭先生が、

泡盛の超クースにも関係している!と話していました。

泡盛では、一般的な古酒香といわれる「バニラ香」や「マツタケ香」を超えた

超古酒の領域に、何ともいえない甘さが存在するのは周知され、

多くの古酒ファンが味わっています。

あの味、柔らかな甘み、和三盆のような上質な甘みが、

ソトロンだとすると、長く熟成した瓶貯蔵の古酒も色を持つかも?

と想像してしまいます。


長くなりましたが、色から推測する熟成が、

清酒まで発展しまして申し訳ない!

ではでは、次回は瓶熟のもう一つの要素に入ります。

  


Posted by 住職 at 07:47Comments(0)泡盛

2011年12月14日

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ)2



写真は、夜の東京タワーを撮影。

近頃は、専らスカイツリーなので、懐かしい気がします。


前回は、ワインの瓶熟との大まかな比較でした。

その続きとして、細かな成分熟成で、ワインと比較してみます。、

先ずタンニンでいうと、割水や甕由来の成分に含まれる「ミネラル分」があります。

味覚において、苦味や硬さを感じるタンニン。

若いワインでは、強く角がある感覚ですが、

酸化と重合で、柔らかい舌触り&円やかな味に変化します。

見た目では、重合により収斂されたタンニンは、澱(オリ)として沈みます。

泡盛でいう「ミネラル」は硬く感ずる成分。

味覚でいうとアタック(最初の刺激)よりアフターに現れる。

香りでも、トップよりミドル~ベースに現れるように感じます。

教科書通りの表現ですと、「火打石」のような香りがあったり、

自分なりには、型枠を外した直後のコンクリートな香りがあります。

泡盛における澱は、底に粉のように沈んだ澱と、

結晶のように見え液体の中で浮遊する物があります。

結晶のように見えることから、どちらも何らかの成分が、

重合した物質に見えますが、成分についてはミネラルかは解りません。


ポリフェノールは、多くの要素が有りますが、

代表的には、同じ成分の重合で柔らかな香味を増すそうです。

アントシアニンも同じポリフェノールに当たるそうで、

タンニンなどとの重合や酸化で、色が変化する成分。

見た目も綺麗な赤が褐色に変わり、熟成の度合いが目に見える成分変化。

泡盛には、見た目の色の変化がありえるのか?

瓶熟成では、色の出ている泡盛を見た人は滅多に居ないと思います。

でも、透明瓶の数十年クースには稀に、

薄い金色のような色を持つクースがあります。

それなら、光(紫外線等)に反応する成分があるのか?と考えたのですが、

酒造所のタンクの泡盛の話を聞くと、薄く黄色味掛かった色が、

エイジングと共に、色を帯びていく・・・と聞きました。

透明なもの液体が、光を当てなくとも、年々色を帯びてくそうですから、

瓶内でも、稀に見える色がついても不思議ではないと考えます。

(光の吸収による色を持つものも有りそうですが、

ここは、健全な熟成を考える上での話なので、

光の吸収による劣化の色などは、省いておきます。)

さて、泡盛熟成の色の成分。

これは、高級脂肪酸?

脂肪酸というと、広い意味で油脂や脂質などの成分。

油なので、薄い黄色を帯びていているのが通常。

その酸化や重合、他の成分との結びつきで、エステル化となれば、

間に見える色を持つ可能性もある・・・。

ポリフェノールの代わりとは言いませんが、

ワインの色変化に対する成分があるとすれば、高級脂肪酸の変化かも・・・

という話でした。


長くなりましたが、もう少し続けます。  


Posted by 住職 at 08:00Comments(0)泡盛

2011年12月10日

泡盛の歴史



東京にいますから、ブログUPも一苦労。

調べ物も億劫ですし、なんせ寒い。

ワイン熟成との比較話も一休みして、一人ごとしてみます。


泡盛の歴史は600年

私がマイスターを学んでいるころ、

沖縄で蒸留酒の確認した文献「朝鮮王朝実録」を学びました。

1456年には首里城の地下に酒が置いてあったという話・・・。

私は「造りの技術や熟成の方法を学ぶのに、半世紀は経過している」

と言って600年!と主張したのが懐かしいですが、

当時は「500年以上」と言って、文献など裏付けもないのに

600年と言うな!と怒られたものです。

同文献では、1461年には那覇港に新酒から3年物までの甕があった!と、

記されており、普通に考えると、県内で造っていたのか?

との考えますが、分析では輸入された蒸留酒と判断するのが妥当とされ、

私には納得できないところもあったのですが、

その通説は今も変わりないと思います。


その文献からすれば、蒸留酒の熟成は、

琉球王国に入ったと同時に判っていたということですね。

仕次ぎの技術は琉球人の開発?

いろんなことを考えるこのごろです。
  


Posted by 住職 at 22:00Comments(5)泡盛

2011年12月09日

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ) 1



ワインの”瓶熟のしくみ”に学ぶと言っても、泡盛との比較は難しい。

成分の多くは違うし、熟成過程も異なる。

ですが、泡盛熟成のヒントにはなりますので、書いてみます。


まずは、泡盛にもある「物理的熟成」について。

泡盛でいう物理的な熟成は、水とアルコールのクラスター化。

ワインにも水とアルコールは存在するので、同じような熟成があります。

しかし、物理的熟成の一番の効果は、アルコールの刺激を和らげることですから、

酒精の弱い(15度程度)ワインにとっては、効果のある熟成とは考えられません。

そういう意味では、ワインの熟成は泡盛と違って、パンチ(刺激)は重要でなく、

主に「香り」と「味わい」に集約されていますね。


それでは、ワインでいう「香り」や「味わい」の変化

(化学的熟成)にはどんな成分があるのか?

その前に、熟成の総称として、泡盛の甕熟成が、

「酸化熟成」と呼ばれるのに対し、(瓶はあとから)

ワインは「還元熟成」と呼ばれています。

還元ということは、ワインは酸素が無くても熟成しているという事。

が、はたして、そうなんでしょうか?

変化の要素としては、当初から皮の成分に含まれる「タンニン」は、

熟成に向いている赤ワインのフルボディーに強く感じる成分です。

その他、健康に良いとされる「ポリフェノール」の成分で、

色に影響のある「アントシアニン」などが、ワイン熟成の

大きな要素だと思います。


調べると、還元熟成とは言っても、ワインは製造時に樽を使用します。

樽では、樽香であるバニラ香やタンニンも加わり、より複雑味が増します。

そして、さらに上記の要素の、酸化による熟成が進みます。

つまり、瓶に入る前に、酸素を取り入れ、酸化熟成をしている。

一定期間を樽に置き、瓶詰めすることで、他の成分や酸素も取り入れ、

瓶内酸素を蓄積する方法が用いられています。


泡盛をワインに例えると、樽酒もありますが、

一定期間甕熟成した後、瓶熟した泡盛のような商品が、一般的なワインなのです。

美味しくないわけがない。

泡盛でも、樽酒にしても甕酒にしても、しっかりと力強い原酒に、

甕や樽の要素を加え、酸化熟成を加えると、瓶貯蔵では骨格の太い原酒から、

しっかりとした熟成を遂げます。

一般的に、大まかな熟成の考えで書きました。

  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)泡盛

2011年12月08日

ワインに学ぶ熟成(色-2)



前回、泡盛自体の色を書きましたが、今回は甕からの色についてです。

赤ワインが、熟成によってレンガ色に変化する性質であることから、

見た目での熟成感が判断しやすい特質なのに対し、

泡盛は、ほぼ無色を保ち、見た目で熟成感を計りにくい!と書きました。

しかし、甕による貯蔵酒はその限りで無い。

甕は、色の溶出があるものも多く存在します。

甕にも「唐甕」、「島甕」、「シャム」様々だが、よく焼成された素焼きの甕ですと、

金属成分が溶出し、金色を帯びてくる(ものも多い)。

そして、その色も年々増すことで、味の複雑さを増すこととなり、

ワインのように、目に見える熟成感となり得る。

しかし、赤ワインのように、安定したベクトルがあるわけでなく、

中には焼成の悪さで、土の色が溶出するもの(赤っぽい色)や、

甕の履歴による他の成分(穀物・味噌など)が溶出するケースもあることから、

一部の愛好家には、「色の溶出=容器臭」のように言われるケースも多い。


しかし、良質の甕の多かった戦前は、時間をかけた風格のように色合いあった。

超熟クースの特徴であったように、「色のあるものが上位」と、

囁かれた時代がある。

数百年の熟成は、雑味などすべて取り込み、鮮やかな色を醸したのですかね?

今とは違う感覚があったようだ。


味わいに移ると、甕酒の貯蔵は、ブログで何度も言っているように、

初期段階で、ミネラルの溶出による硬さを伴うことが多い。

最初から直ぐに美味しくなるケースは、一部の良く焼成された甕で、

わずかに溶出するミネラル分などが、新酒の持つ酸性を中和し、

直後、飲みやすくなることもある。


初期のPH中和だけでなく、味わいに苦味を伴うこともあるのが、

一般的な甕の特徴である。

しかし、これもワインと同じく、タンニンが熟成で和らぐように、

泡盛も、甕の特徴である硬さは、泡盛の熟成力によって、

取り込まれ、不快な渋さや火打ち石のような強い硬さでも、

甘さや香りに変化し、まとまりのある滑らかなクースと変わる。


現在は、クースブームから約20年、良い甕酒も多く育ちつつあるが、

上説の甕の熟成感については、戦前に語られた話なども含むため、

今有る20年程度の短いスパンの熟成では、説明できない部分も多い。

解明できない点も含め、泡盛の不思議は、今後序々に明らかになるはず・・・。

今お持ちの甕酒が、熟成半ばで失敗!などと言う事が無いよう注意して下さい。

続く。  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)泡盛

2011年12月07日

ワインに学ぶ熟成(香り・色-1)



最近、泡盛のブログらしいことを書いて無いので、

今回は泡盛ブログらしく、「熟成」について書いてみます。


前にもワインに学ぶことが多い!と書いた泡盛。

エイジング(熟成)についても、ワインを学べば、泡盛に応用できます。

まずは、基本的な香りの特徴ですが、ワインは、

白ワインの香り…アーモンド、ナッツ、アカシア、クリーム、バニラ、バター

赤ワインの香り…キャラメル、あんず、シナモン、スミレ、さくらんぼ、トリュフ、なめし革

などの香りがあります。

ナッツ香やバニラ香などは、赤よりむしろ白ワインが泡盛に似ているようです。

でも、熟成については、白より皮などの入った複雑さのある赤の方が厚味がある。

複雑な成分のおかげで、濃厚さを感じるはずです。

クース向けの最近の原酒も、熟成の複雑さでいえば、

赤ワインを参考にするほうが良いかもしれません。


次に、色については泡盛の熟成は、ワインの色のように、

熟成具合を見た目で判断するのは難しい。

例えば赤ワインは、熟成で綺麗な赤色から茶色を帯びてきます。

レンガ色のような色が熟成の進んだワイン。

でも、泡盛は無色透明と表現する事が多い。

厳密に言うと、タンクなどの中で育つクースは色を持っていると聞きます。

植物油のような金色を帯びて、濃くなって行く・・・。

また、新たな酵母の泡盛も、エイジングで色を増す!と聞いたことがあります。

つまり、泡盛は瓶熟でもかすかに輝きを持ち、艶が出る!というのは、

まんざらウソじゃない!りっぱな古酒かもしれません。

何か面白い話だと思いませんか?
  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)泡盛

2011年12月06日

離島フェアの思い出



離島フェアの2日目、会場外のテントで、伊江島の大城村長にお会いしました。

翌日は伊江郷友会の運動会もありましたから、

フェアも含め、数日間の主張ですね。

撮影テントは伊江ラム「サンタマリア」のブース前。

開発担当の松本さんもご一緒に入ってもらいました。

伊江ラムは、優良特産品項目で優秀賞表彰をもらい、

今回、評判の商品でしたが、関連商品も話題でしたね。

企画力というか、セットで売れる商品開発には、頭が下がります。

カクテルレシピとして、島産の砂糖で造ったシロップもよく出来ています。

少し、味が薄いですが上品な味です。

私の行く東町の「クルール」では、クリームチーズに、

黒砂糖の粗粉とこのシロップをかけて、出してますが、評判ですよ。

産業祭りでも紹介しましたが、

「和三盆になる前の品質まで精製した砂糖を使った!」と聞きました。



あと他にも、ドーム会場の伊江村ブースの中に、

ラム入りのアイスがありました。

これも、ヒットの予感ですね。

私は、更にラムをかけて食べたくなりました。

なんか、チーズの話も聞きましたし、まだまだネタが有りそうですね。

北海道の花畑牧場に負けないよう、頑張れ!

応援しています。
  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)洋酒

2011年12月05日

琉球セメントの謝恩忘年パーティー



沖縄で地元のセメント会社「琉球セメント」の謝恩忘年パーティーの様子です。

舞台を写すのに、VIP席を撮りましたが、会場には溢れんばかりの関係者方々。

2日(金)にハーバビューホテルの「彩海の間」で行われました。

最近は、建設業も景気の煽りをもろに受け、

停滞気味ですが、琉球セメントの年末パーティーだけは別です。

今年も大いに盛り上がっていました。



会場では、ビール、ワイン、ソフトドリンクと並び、

泡盛も出ていましたが、このパーティーはやはり違いますね~。

飲まれている泡盛は、「10年海乃邦」ですよ。

それも、なんやかんや言っても泡盛が主流なので、4合瓶が次々に開いていきます。

そして、空瓶が山ほど!

西村社長も、超の付く泡盛通ですから、一般酒では納得しないんでしょうね!

でも自分の好みよりも、やはり謝恩ですから、お客さんへのの気持ちですよね。

「海乃邦」には、これ以上無い気持ちを感じました。

とても良い酒で、とても良い時間でした。

琉球セメントさん今年も有難うございました。

そして、来年もよろしくお願いします。
  


Posted by 住職 at 22:00Comments(0)イベント

2011年12月04日

オークションの瑞泉



昔飲んだことのある「瑞泉」がオークションに出ていました。

オークション写真のコピーは怒られますかね?


あれは、泡盛を集めていた頃、辺戸名のマチヤー小にあった瑞泉を、

もう飲めないんじゃない?と言われながら、安くで買った1本。

ウチのオジーの命日に、仏壇の前で、太っ腹にも、

親戚の男軍皆で飲んでしまいました。

美味しかったし、仏壇のオジーも喜んだと思います。

あの味を思い出したくて、追っかけたんですが、落とせませんでした。(残)

中味は45度の復帰前の古酒。

10年近く前ですが、あの頃でも30年以上は、間違えなかったはず!

いいクースでした。


その後、産業祭りが奥武山に行ってから、

瑞泉酒造で「龍のラベル!」の商品を聴いたのですが、

「解らないです!」と返されたのは、淋しかったな~。

  


Posted by 住職 at 22:00Comments(3)泡盛