尚順男爵
尚順男爵の「松山王子 尚順遺稿」の、P14
鷲泉随筆(二)「古酒の話」の冒頭には、
「クースは単に沖縄の銘産で片付けては勿体無い」とある。
私が注目したのは、その後のくだり、
「葡萄酒の様に穴倉に入れておいて済むものではない」という部分だ。
昭和13年ごろの沖縄で、葡萄酒の管理方法を知っている人がどれだけ居たのか?と考えた。
読まれた人は、どう思っただろうか?
泡盛の管理法を、葡萄酒と比較するのは簡単ではない。
葡萄酒は本来日本にもあったとは言え、簡単に手に入らなかっただろうし、
管理も、相通じるものもあることを知りながら、あえてそう述べている。
それが、本は戦前の話なのだから凄い。
私が遅いのか?、男爵が早いのか?
と考えるより、戦争で失われたデータ(クース、人、メモなど)が、計り知れないと改めて感じる。
戦後60年が経ち、クースとは何たるか?の、
戦前にあった管理知識、イロハのイの1歩をやっと歩み始めた気がする。
しかし、つくづく凄い人ですね。
王様の末裔なので、私が考えるまでもないのですが、
こんかセレブな友達がいれば、人生も変わります。
そういえば、私の友人に尚家のある方と同級生が居まして、
小学校の頃、家に行くと、おやつに「プリン」が出たそうです。
プリンをはじめて食べた話でしたが、今でもはっきりと覚えていました。
「あの時代にプリンよ!プリン!」と、50年経っても興奮気味に、話していました。
昭和30年頃ですから、当然、庶民にはプリンなど知らない頃・・・、
前述した葡萄酒と同じで、世界が違いますね。
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