島武巳のミニシーサー

住職

2024年12月03日 22:00



なんで作ったのかも分からないミニシーサーです。

注文だったのかも不明です。

コップか何かのプレゼントのお礼だったと記憶していますが、

その方は、早くにお亡くなりになりました。



手の平サイズのシーサーですが、遊び心満載ですね。

よく比較される國吉清尚さんは島武巳さんと仁王窯の兄弟弟子。

島武巳さんが先だったことも知られていますが、

2人の天才が同時に窯にいたことはなく、島さんが出てから國吉さんが入ったようです。

それでも、お互いの作風は認め合っていたようで、

個展にも顔を出したり、交流がありました。

國吉さんは、今月2日まで壺屋で個展をしていましたが、とにかく異端。

模様でも珊瑚を使ったり、タイルや硅石を表面にちりばめたり、

ウルトラマンやサイ(空手の道具)、男性器なども作っていました。

とにかく同じものは造らない!・・・行き詰ったのかもしれません・・・。

時には、釉薬も・・・晩年は白土の大きな作品もありました。

変わった作風には、ファンも「次回は何を作るのか?」と楽しみな作家さんで、

現代作家の最先端のような方でした。

一方、島さんは、「古窯方式」と言っていましたが、

「穴窯」で筒状の下から奥まで見通せる筒状の窯を使用し、

熱効率の良い、見た目より焼くのが難しい窯でした。


作品は、基本に忠実でしたが、酒器、花器、茶器が多く、

遊び心の作品はほとんど見ませんでした。

全体的に、土の粘りの限界と戦っているような作品も多く、

子供が造ったような作風ですが、高い技術が光っていました。

火入れも限界を求めて、10日焚くこともしばしば。

対照的な二人でしたが、それでも二人の作風は、比べてしまいます。

使っても見ても飽きないのが、共通点ですかね。

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