陶器と酒
写真は、島武己さんの酒器です。
芸術の話をすると、人為的か偶然か?という課題は大きいと思います。
島さんは、「質感」の話をよくしていましたが、
「自然に感じるか?」それとも、人為的に狙ったことが分かり、「イヤらしく思えるか?」
人間は欲深く、いいものを作ろうとすると、やっぱり、イヤらしさが表れる・・・。
自然の中には、そんなことは無い・・・。
その違いを感じさせないものを、人が作れるか?というテーマ。
それは、かなり難題だと思います。
例えば、曜変天目。
あれは、数万の茶碗から、3つしか無い!と言われていますが、
自然に出来たものか?火の偶然が生んだ芸術か?
もしかすると、人為的に狙って出た作品か?
専門家でも、人為的!と指摘する人がいます・・・。
それを言うと、ほとんどの人が「偶然」しかない!と言ったから、国宝!と話しますが、
知見では、釉薬が2重に塗られ、2度焼きという話もある・・・
自然と人為の堺が分からない・・・というのが、芸術にはある。
島さんの作品にも、そんなテーマを感じます。
芸術って不思議な世界です。
一方、泡盛の古酒も、科学的に古酒化を早める方法が研究されてきた。
つまり、人為的に古酒香が出ないか?などの研究。
作られた風味に、偽物と言う人、それも古酒香!という人。
本物と違うもの、との堺が分からなくなっているのは、
悲しくもあり、それは技術の成果でもある・・。
甕の香りや、樽の香り、容器の香りは、人為的ですか?
長い歴史は、それも良し!としている。
いつから?というのも、考える人はいませんが、
面白い話です。
泡盛の周辺は楽しい・・・。
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