2024年04月08日
蒸留器の違い
蒸留器の違いを話すのは、久しぶりだと思います。、
丁度、NETに写真があったので、紹介します。
90度で沸騰する常圧蒸留器は、仕上がりの泡盛に重厚な成分が入るとあります。
一方、減圧蒸留器では、軽快な香りと味わいが強くなる。
減圧では、果実香の様な香りと柔らかなアタックを感じたりします。
重厚な成分が無い分、加水したりすると香りが甘く、
味も青りんごの様なフルーツ系の繊細な甘さを感じ、女性でも飲み易い泡盛となります。
常圧は重厚さを感じますが、主に油分が主成分で、
甘い繊細な香りはその香りにマスクされ、全体的に味は重く感じます。
苦み、辛み、なども強く感じることが多く、
複雑な風味を感じます。
同じ蒸留の作業で、何故風味に違いが出るのか?
蒸留終わりのカットの時点で、蒸発する成分の分布に違いは無いはず?と考えてしまします。
私もそうでした。
以前にも書いたかも?ですが、大きな違いは、温度による分子の分離です。
減圧の場合、50度では分離しない油分などの重い成分が、そのままモロミ液に残留します。
常圧は、温度が上がるので、重い成分が分離し、分かれて軽くなり、
他の成分と一緒に、蒸留液(酒)に混入する。
それが味に表れる!という事です。
重要なのは、その油分が高級脂肪酸と言われ、変化して古酒香に変わる主成分ということ。
その分、常圧は古酒感が軽くなり、
濃厚な古酒香を演出できなくなる。
ウースの基礎知識として、覚えてもらいたいことでした。
Posted by 住職 at 12:00│Comments(2)
│泡盛
この記事へのコメント
住職さんこんばんわ
蒸留機の違いによる味の違いで横型と縦型が味に与える影響の違いの考察などありましたらお聞きしたいです!あとは加熱方式の違いと飲んで違いがわかるかとか・・・
個人的に小型の横型はナッツや香ばしさが特徴と考えてその原因は環流にあると思っています それか熱源ともろみの距離か接触面積?
まだまだ全然分からない事ばかりで全部憶測ですが・・・
蒸留機の違いによる味の違いで横型と縦型が味に与える影響の違いの考察などありましたらお聞きしたいです!あとは加熱方式の違いと飲んで違いがわかるかとか・・・
個人的に小型の横型はナッツや香ばしさが特徴と考えてその原因は環流にあると思っています それか熱源ともろみの距離か接触面積?
まだまだ全然分からない事ばかりで全部憶測ですが・・・
Posted by もーりー at 2024年04月09日 01:36
モーリーさん、コメントありがとうございます。
私の感覚では、上記の味の違いは縦の方が柔らかいイメージです。
縦は、直接そこの部分に加熱されますが、タンクから立ち上がりの距離が高くなります。要するに、液面との距離が遠い。
重い成分は、より上がりにくくなり、すっきりした味わい系になります。
横型は、立ち上がりの管と液面までの距離が短く、直ぐに蒸気が管に上がるので、重い成分も入りやすい。
いずれも、立ち上がりの部分に、邪魔板という板が数枚入っていて、最終の風味の調整は邪魔板で行うので、縦型でも板数でかなり仕上がりが変わると思います。
そういう意味では、相対的に横は粗く、縦は柔らかい味ですが、邪魔板で更に味が決まる!という感じです。
加えて、横型はワタリという管の横になっている部分が短いと、更に重い成分が入りやすくなります。ワタリの横管は勾配でも味が変わるので、立ち上がりからワタリの管は仕上がりの風味を決める重要な場所です。
酒造所に行くと、その部分だけを細かく見るのも楽しいですよ。
私の感覚では、上記の味の違いは縦の方が柔らかいイメージです。
縦は、直接そこの部分に加熱されますが、タンクから立ち上がりの距離が高くなります。要するに、液面との距離が遠い。
重い成分は、より上がりにくくなり、すっきりした味わい系になります。
横型は、立ち上がりの管と液面までの距離が短く、直ぐに蒸気が管に上がるので、重い成分も入りやすい。
いずれも、立ち上がりの部分に、邪魔板という板が数枚入っていて、最終の風味の調整は邪魔板で行うので、縦型でも板数でかなり仕上がりが変わると思います。
そういう意味では、相対的に横は粗く、縦は柔らかい味ですが、邪魔板で更に味が決まる!という感じです。
加えて、横型はワタリという管の横になっている部分が短いと、更に重い成分が入りやすくなります。ワタリの横管は勾配でも味が変わるので、立ち上がりからワタリの管は仕上がりの風味を決める重要な場所です。
酒造所に行くと、その部分だけを細かく見るのも楽しいですよ。
Posted by 住職 at 2024年04月09日 09:38