2009年08月04日

シャム南蛮

シャム南蛮

シャム南蛮の壷です。

このブログには、ちょいちょい出てきますが、

壷の容器香(臭)の話に、この南蛮(シャム)の壷がよく出ますね。

シャム南蛮

クースの香りや色の話に関係するのが、容器(壷)の焼きと言われますが、

シャム南蛮には、内側に釉薬が使われている物を、なんども見ています。

焼き締めが大事と言いながら、無釉薬の壷が第一条件と聞いた人も多いのではないでしょか?

基本、壷選びでは内側の釉薬は無いもの・・・と言われながら、

酒壷を代表するシャム南蛮では、釉薬が有るモノが多い。。

2番目の写真では、内側底の部分の釉薬が反射して分かると思います。

そして下の写真では、真ん中当たりから下へ、黒くなっていて釉薬があります。

内側には、下側に施され、外面は上から胴下当たりまでに施されています。

シャム南蛮

壷の壁面として、内外どちらかに釉薬が塗られ、漏れにくい構造となっているのが、

シャムの私が良く見掛ける釉のかけ方です。

泡盛の酒壷を代表するシャムでさえ、釉薬が掛かっているのですから、

壷のスタンダードを、考えなければいけませんね。


壷選びでは、無釉である必要性は、それほど重要ではないという話に繋がりますが、

無釉の部分に酒が触れて、土の成分溶出が行われる構造であることは、大事な条件です。



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Posted by 住職 at 13:40│Comments(2)酒器
この記事へのコメント
昔、チェンマイの大学とウチの職場が姉妹関係になった記念に、沖縄のシャム南蛮を彼方に寄贈した事があります.あの甕は一斗を遥かに超えた大きさでした.また、上司の先輩が文化勲章を貰ったときの記念にもシャム南蛮を贈りました.あの頃は価値がわからず、こんな古臭いものと思っていましたが、貰った方も価値がわからなかったでしょうね.あれはどうなっているんだろう.

釉薬の事は気になっていました.でも、結果よければオーライ.

彼方の焼成温度は低かったのでしょうね.釉をかけないと漏れてしまうのでしょうか?
Posted by Ai-Nyai at 2009年08月05日 08:23
シャム南蛮を寄贈したお話は、国交に歴史を感じる話です。
さぞ喜ばれたでしょう。
その頃は、日本というより琉球国ですが、
今のタイ・バンコクでは、沖縄(琉球)を知っている人もいないのは、
淋しい限りです。
古い国交がありながら、距離的な障害があって、
タイ人に琉球の国は感じてもらえなかったのか?と思います。

一方、中国は親密なお付き合いで、
今でも、琉球の名前で沖縄が特別扱いされています。
琉球と言うだけで、友好的なところがあったり、
沖縄の方言にも、中国語が入っていたり、料理も中国風だったり、
お墓であれ、習慣であれ、生活の中でも中国を感じます。

ちょっと横道でしたが、
今のバンコクでは、シャム南蛮は、にせものが作るれるほど、
貴重な骨董品となっています。
「見かけるのは、ほとんどニセ物ですよ!」と言われました。
お話の時期からすれば、数倍になっているはずです。

焼成温度の件は、確かに低めですよね。
調べると、1150~1230度とありました。
喜納・知花が、1250~80ですから、
耐火度にもよりますが、低めです。
それによる、成分溶出が多いのは、否めません。
細かな粘土を作る、水肥の技術も関係するかもしれませんね。
甕は奥が深い話なので、又勉強して本文に書きます。
Posted by 住職住職 at 2009年08月05日 12:12
 
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