2010年09月19日

25度の古酒

25度の古酒

泡盛を語る時に「古酒」の話は欠かせません。

また、古酒造りのときは、「35度以上の泡盛を選べ!」というのがセオリーです。

では、酒造所から販売する25度の古酒というのは、どういうコンセプトなんだろう・・・

と考えたことは無いでしょうか?


25度の古酒とは、「原酒で3年以上置かれ、加水され25度になった古酒」です。

クースの特徴が解り易いよう、度数の強いタイプで造ったのに、

売るための商品つくりで、加水するのは残念な気がします。

香りや味の特徴を失わないよう、比較的早い時期に加水するのが25度の古酒だと思うのですが、

中には、100%5年を超える熟成タイプもあるようです。

中には、水に伸びる銘柄もありますので、良い酒もありますが、

すべてが、適う酒ではないようです。

薄める要因は、焼酎の25度市場で勝負するためですから、完全アウェーの商戦ですよね。

25度の古酒は、香味を弱め、本来の良さも薄れています。


「泡盛は、瓶のままで保管しても良くなる・・・」などの特性も、持ち合わせていませんし、

飲みやすく、早飲みタイプで若干香味が良いといったコンセプトでは、

築いてきた泡盛の評判を落としてしまわないかとヒヤヒヤです。

本来の泡盛の持つ特徴とは違う!という事を、ハッキリと強調するべきだと思いますが、

泡盛通の皆さんの意見はどうでしょうか?


一方、個人コレクションなど、オークションで見かける瓶の25度古酒。

完全に3年以上経過していますが、本来のコンセプトはない酒です。

ただ、早飲みタイプの泡盛を取置いて、クースを狙っても、

味や香りは、はじめから薄いので、時間を置くだけ水っぽくなります。

厄介なもので、泡盛の特徴を併せ持っていないのに、

一般の方には、「泡盛とはこんな味わいか!」と印象となる。

わずか5度の違いで、30度になると熟成感が解りやすくなります。

飲み頃は、銘柄によっても違いますが、

30度で沖縄の気候だとしたら、長くても20年くらいでしょうか?

ワインのように、厳重な管理で熟成すると、50年は持ちますヨネ。

(持論)



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Posted by 住職 at 22:00│Comments(6)泡盛
この記事へのコメント
こんばんは。

25度の泡盛が他の焼酎に対抗するために登場したという背景は知りませんでした。もともとマイルドを好むウチナーンチュのために確立したものだと思っていました。

25度でも「保管しておけば熟成が進んでより美味しくなる」と考えている人は多いと思います。私もちょっと前まではそうでした・・・。

最近は沖縄でも泡盛以外のアルコールが増えてきたように思います(私の印象ですが)。

確か泡盛の生産量もここ数年低下気味のはず。

「好みの多様化」と解釈してしまう前に、泡盛のよさや飲む機会をもっと理解してもらう場があるとよいのですが・・・。

網羅できないかもしれませんが、やはりカタログ的に昔の泡盛から現在までの膨大な泡盛銘柄全てを体系化してまとめた1冊が欲しいですね。

何かの分野を確立するには、やはり何か軸になるような柱、それも抽象的な理念や観念ではない、具体的なモノが必要だと思います。全てを網羅したカ
タログ的1冊はその一部を担う十分な資格があると思いますが、やはりもはや無理なのでしょうかね・・・?

泡盛が分野としてもコレクションとしても体系化されきっていないところは個人的に惜しいと思う部分ですね。

それを希望している人は少なからずいると思うのですが・・・。
Posted by 好きです泡盛 at 2010年09月20日 22:34
>早飲みタイプの泡盛を取置いて、クースを狙っても、
>味や香りは、はじめから薄いので、時間を置くだけ水っぽくなります。
>厄介なもので、泡盛の特徴を併せ持っていないのに、
>一般の方には、「泡盛とはこんな味わいか!」と印象となる。
泡盛通には理解しがたいかもしれませんが、
その水っぽさこそが好まれるという場合が多々あります。
40代後半~50代くらいの方は特にそういった傾向が強いです。
恐らくその理由は、1980年代くらいに流行した日本酒(北陸の淡麗辛口タイプ)の「水のように飲める酒」のイメージなのでしょう。

味の傾向の流行などもあるので(世界的にみてドライ化の一途ですが)、
簡単には言えませんが、泡盛通の好むものと一般的な消費者が好むものの乖離もありますし、アルコール度数に関しては各酒造所も悩ましい問題ではないでしょうか?

焼酎なども関東方面向け商品と九州向け商品とでは味の傾向の違いなどもありますし、他の蒸留酒もロックもしくは水割りが圧倒的に多いので、泡盛(古酒)自体の問題というよりは、アルコールに対するスタンスとでもいうべき問題を考えないといけないのかもしれません。
(ブランデーの消費量が日本で最も多かったバブル期で、その殆どがクラブでの水割りだったのを思い出すと分かりやすいでしょうか)

コアユーザー向けの古酒とライトユーザー向けの古酒の存在はある程度は仕方がないと考えるしかないと思います。
(シングルモルトのカスクストレングスやシングルカスク、バーボンのシングルバレルのようなものと、一般流通用の比較的安価なブレンデットウイスキーみたいな感じで)
Posted by E.U at 2010年09月21日 05:38
超~納得です

25度の古酒 5~10年古酒を何本か飲みましたが

なぜか納得できない・・・なぜ?と自問自答していました
私もこの意見に大賛成です、もやもやしていたのが解決いたしました

25度はおいしい内に飲んだほうが良いですね
Posted by こども店長 at 2010年09月22日 12:01
私もそう思います。 納得です。
しかし以前、多良川の「ももこ」の瓶詰めからかなり経った商品を飲んだことがあります。寸胴の300ml程度のボトル、ボトルに少し色がついていました。
(多良川関係者の披露宴で振舞われたもののお裾分けを頂きました。)
それが実際、とても美味しく飲めました。熟成かどうか分かりませんが、味が複雑になっていたのは確かです。

「ももこ」はそれほど古い銘柄ではありません。
また宮古の酒は全体的に30度程度でも、アタックが強く感じます。
それも関係しているのかもしれません。
とりあえず 過去に感じたことを報告させていただきます。
Posted by 例外もあるかもしれません。 at 2010年09月22日 21:33
そうですね。
人によりますので、銘柄しだいでは、クース感を得ることも出来ます。
特に多良川とか、金武は、洞窟も持っていますし、
温度変化の少ない中で、熟成感を失うことなく、
香りや旨みが育つのかもしれません。

私も、以前に本土にあった25度が美味しく感じたことがありました。
環境だったでしょうか?

もう一つは、加水に使う水です。
硬い水は、なじみが無い分、度数が強く感じるようです。
宮古の水が硬く、酒に高度数が無いのは、そんな背景もあるようですよ。

そういう意味では、「ももこ」も熟成を感じやすいマイルドタイプかも・・・です。
Posted by 住職住職 at 2010年10月17日 18:39
そういえば、調べるともっと凄いのがありました。
組合が國場組と、昭和56年販売した
「マリンブルー20度(ペットボトル)300ml」が、
平成になって返品されたものがありまして、
飲んだことがあります。
捨て値で言いということで、20ケースほど積まれている箱から、
1本100円、3000円/ケースで2ケース譲ってもらいました。
既にマイルドなので、冷やしただけで、
茶碗酒で飲むと、抜群に良かったんですよ。

私の知識で、20度でも熟成すると、知識を得ました。
でも、その後は、マイルドタイプでよくなった商品は皆無です。
この商品は、当時の国鉄のキヨスクを狙ったのもで、
保存環境がかなり良かったと思われます。

あとで、もっと買いに行くと沖縄国税の方が、
全部買ったといって、あれだけあったケースが無くなっていました。
特殊ケースでした。
Posted by 住職住職 at 2010年10月17日 19:28
 
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