2011年06月21日
泡盛雑談 2
「仕次ぎ」の真髄とは、ピークの味の継続にあると思います。
仕次ぎでは、注ぎ足したそのときから、以前の味には戻らず、
元に戻る(順化)に掛かる時間が必要です。
仕次ぎには、幾つかの意味があります。
最初はただ「量の確保」に近い作業です。
しかし、そのうちに、味へのこだわりが出てきます。
味へのこだわりが出てくると、風味を失いたくない欲も出ます。
味の順化に時間を求めるなら、仕次ぐ酒を古いクースにするか、
量を少なく仕次ぐなどの方法を考えるようになります。
酒は、出来るだけ近い味の酒を使うのが良いのですが、
30年や40年のレベルになると、凄い香りと味に驚き、
その風味を失いたくない為に、仕次ぐのをためらいます。
仕次ぐ酒は、出来るだけ近いものですが、
できれば同じ香りを発している同レベルに近いもの・・・。
難しいのですが、年数で3割~2割5分少ないものを選べば、
良いのではないでしょうか?
40年古酒なら、3割なので12ねんを引き28年古酒以上・・・
3年古酒なら2年古酒と、割合なので比較的、香りが近くなります。
同じ銘柄なら間違いないのですが、昔はブレンドでしたので、
味の確認が必要で、味覚・嗅覚が必要です。
難しい判断もあったでしょうね。
真髄の意味からすれば、ピークの維持ですから、
アルコールの欠減があれば、アルコールの高い酒を、
香りがなくなってれば、同じ系統の香る酒を・・・と、
ピークの状態に近い酒に戻す作業が、本来の仕次ぎだと思います。
今出ている50度を超えるスピリッツ系の高度数の原酒は、
香りも良く、度数もあるので、万能な仕次ぎ酒にも成り得ます。
当然、度数が高い分、油脂成分も多いので、
香りに満足がいくなら、仕次ぎ用としても完璧です。
多くの古酒持ちが、家宝の古酒の手入れ用として、購入しています。
それだけを古酒甕で育てても、ポテンシャルが高いので、
期待十分です。
Posted by 住職 at 22:00│Comments(0)
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