2011年06月30日

カビ臭

カビ臭

写真とは一切関係御座いません。


「甕酒にカビの匂いがする」という話はよく聞きます。

ク-ス持ちの間では、「カビ臭は消えない!」という認識が高いのですが、

私の経験では、消えたこともあるので掲載してみます。

カビ臭を帯び、不幸な扱いを受けたクースは少なくありませんので、

少しでも無くなれば幸いです。


以前に、甕に入れたカビ臭のある酒の相談を受けたとき、

私も「消えない!」との認識でした。

そして、「甕の交換」をお勧めしました。

後日、その酒を頂き飲んでみると、

カビ臭はほとんど無く、持ち主も「出した直後と違っている!」との話で、

不思議な思いをしたんです。

気になり、識者に聞くと「カビ臭も消えないものだけではない!」という答えで、

初めて「カビ臭」への認識が低いことに気付きました。

そこで、「カビ臭も消えないものだけではない!」ということから、

固定観念を持たずに、「消えるかも!」という考えに変わっています。


とはいえ、まだ消えるカビ臭と、消えないカビ臭との利き分けは出来ません。

でも、一番多いと云われる甕酒の失敗「カビ臭混入」に、一筋の光があるのでしたら、

凄いと思います。

僅かでも、救えるクースがあるなら・・・と思いませんか?



参考になるか解りませんが、状況から説明しますと、

カビ臭を感じてから取った行動は、「甕から取り出した」事と、「他の容器で時間を置いた」ということ。


それから判断すると、カビ臭を感じたら、まず小さな瓶でもいいから、取り置きしてみる

そして、3、4日して変化しているか確認してみること。

香りや味に変化があれば、取り置きの継続です。

空気に触れることで、古酒香にマスクされることも否定できません。

カビ臭自体が飛んだり、他の香りに変化する可能性もあります。

稀な例かもしれませんが、一部の望みを持ってやってみる価値は有りです。


でも、香りは消せても、味にはエグみがあります。

うまくいけば、甕を変えるなどの容器の入れ替えで、香りが良くなることもあります。

「カビ臭なので消えない!」という判断は、その後でも遅くありません。


今回の場合、出して直後は、悪い香りがした!ということでした。

だから、甕の交換もお勧めしましたが、

甕の特徴もクースの特徴と同じく勉強する必要があるかもしれません。


カビの種類の話は、次の課題にします。


同じカテゴリー(泡盛)の記事
泡盛の価値
泡盛の価値(2024-05-02 22:00)

ヤンバルの巨匠
ヤンバルの巨匠(2024-05-01 22:00)

瓶の貯蔵 2
瓶の貯蔵 2(2024-04-30 22:00)

瓶での仕次ぎ
瓶での仕次ぎ(2024-04-29 22:00)

泡盛の澱
泡盛の澱(2024-04-28 22:00)

酒器などの容器
酒器などの容器(2024-04-27 22:00)


Posted by 住職 at 09:39│Comments(5)泡盛
この記事へのコメント
住職さん

おはよう御座います。
先日は有難う御座いました。

カビ臭は、消えるのもあるんですね。
100%ダメだと思っていましたがビックリです。

少し光が見えてきました。

いろいろチャレンジする事が大事ですね。

もう一つ私が気になっているのが、コルク臭です。

コルク臭は、お酒に色までつくのでやはりダメでしょうか?

オークチップを入れて樽酒にすれば…とも考えた事がありますが。

何か良い方法はないでしょうか?
Posted by 萬座ファンUEZU at 2011年07月01日 10:13
書いていませんが、コルク臭は、カビ臭のことですかね?
コルク自体の匂いは、聞いたことがありませんが、
コルク自体ですと、調べてみないといけません。

私の知っている事柄では、コルクは泡盛にも使われており、
主に小さな壷類がそうでした。
同じように、蓋として使用された材料にはデイゴなどの木材もあり、
ほぼ、同じようにカビ臭が発生し、問題になっています。

コルク臭はワインで知られていますが、「ブショネ」と呼ばれます。
同じように木材関連で、日本酒にも、カビ臭があるようで、
どちらも成分は、トリクロロアニソールという物質が関連しているそうです。
(以下TCA)
TCAの、分析が遅れた原因は、
ppm(百万分の1)やppb(10億分の1)の濃度ではなく、
ppt(1兆分の1)の世界だから・・・とありました。
例えると、25mプールから、数滴の量で、
あの匂いが閾値(しきいち)を超えるそうですから、強烈です。

萬座ファンさんが話すオークチップの香りでは、
マスク出来ない可能性が高いのではないでしょうか?

私の考えも、TCAのカビ臭は、「消えない!」という厳しい見解です。
(萬座ファンさんと同じ認識です。)
でも、食べ物との組み合わせで以前に、
「ブルーチーズ」と「カビ臭泡盛」の組み合わせを試すと、
他の泡盛が、水のように香りも無いのに対し、
カビ臭のある泡盛は、しっかりと泡盛でした。

どうしようもない人でも、ブルーチーズとなら、
何ともなくなるのは、驚きの現象でした。
塩味も濃いので、酒のつまみには持って来いですよね。

参考にすると、カビ臭のある泡盛と食材との組み合わせは、
利用する方法としては、未知の部分があります。
通常は、料理酒くらいなら、との利用ですが、
もったいないとも思えますね。

ともあれ、酒業会とカビ臭との戦いは、
まだ進んでいません。
本格的に、研究が進むと、カビ臭だけ取れる消臭効果の高いものが、
発見されるかもしれませんし、持っておくのも手です。

加えるなら、あの「白百合」の熱狂的ナファンには、
「もっと香りの特徴的ナ泡盛はないのか?」と電話してくるとか。
その内、プレミアになる可能性だってある。

それも、泡盛ですから、処分しないで下さい。
Posted by 住職住職 at 2011年07月04日 06:45
住職さん!

おはよう御座います。

ご丁寧な説明有難う御座います。

やはりオークチップでも厳しいですか…

食べ物との組み合わせの件は非常に興味深い話しです。

マスクする事は考えましたが、それが食べ物とは全く考えませんでした。

またまた、楽しみが増えて来ました。

住職さんがおっしゃるように、どんな泡盛でも処分する事は駄目ですよね。

泡盛に失礼ですから。

色々とご質問する事があると思いますが宜しくお願い致します。

有難う御座いました。
Posted by 萬座ファンUEZU at 2011年07月04日 08:33
住職さん、ご無沙汰しています。

カビ臭の相談をしたユリです。

本当に不思議な体験でした。あの泡盛はもう全部飲みつくしました。
最後までおいしかったです。

偶然ですがこのお話を私のブログでも書いていますので
よかったらご覧ください。www.cooking-joy-club.com
Posted by ユリ at 2011年07月05日 15:36
ユリさんコメント頂き、恐縮です。

ブログ拝見いたしました。
和風の床の間ですが、「洋」感じる芸術的ナ空間ですね。
ロイヤルブルーがあるからでしょうか?

あのクース体験は私も語り草です。
泡盛の文化の中でも、稀な出来事だと思いますから、
経験と知識は、留めておかないといけません。

考えるに、チーズの専門家のユリさんの家だったから、
あの菌があったかもしれませんね。
再び同じ体験をするのは、いつになるか?
楽しみにしています。
Posted by 住職住職 at 2011年07月07日 07:19
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。