2011年12月14日

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ)2

ワインに学ぶ熟成(瓶熟のしくみ)2

写真は、夜の東京タワーを撮影。

近頃は、専らスカイツリーなので、懐かしい気がします。


前回は、ワインの瓶熟との大まかな比較でした。

その続きとして、細かな成分熟成で、ワインと比較してみます。、

先ずタンニンでいうと、割水や甕由来の成分に含まれる「ミネラル分」があります。

味覚において、苦味や硬さを感じるタンニン。

若いワインでは、強く角がある感覚ですが、

酸化と重合で、柔らかい舌触り&円やかな味に変化します。

見た目では、重合により収斂されたタンニンは、澱(オリ)として沈みます。

泡盛でいう「ミネラル」は硬く感ずる成分。

味覚でいうとアタック(最初の刺激)よりアフターに現れる。

香りでも、トップよりミドル~ベースに現れるように感じます。

教科書通りの表現ですと、「火打石」のような香りがあったり、

自分なりには、型枠を外した直後のコンクリートな香りがあります。

泡盛における澱は、底に粉のように沈んだ澱と、

結晶のように見え液体の中で浮遊する物があります。

結晶のように見えることから、どちらも何らかの成分が、

重合した物質に見えますが、成分についてはミネラルかは解りません。


ポリフェノールは、多くの要素が有りますが、

代表的には、同じ成分の重合で柔らかな香味を増すそうです。

アントシアニンも同じポリフェノールに当たるそうで、

タンニンなどとの重合や酸化で、色が変化する成分。

見た目も綺麗な赤が褐色に変わり、熟成の度合いが目に見える成分変化。

泡盛には、見た目の色の変化がありえるのか?

瓶熟成では、色の出ている泡盛を見た人は滅多に居ないと思います。

でも、透明瓶の数十年クースには稀に、

薄い金色のような色を持つクースがあります。

それなら、光(紫外線等)に反応する成分があるのか?と考えたのですが、

酒造所のタンクの泡盛の話を聞くと、薄く黄色味掛かった色が、

エイジングと共に、色を帯びていく・・・と聞きました。

透明なもの液体が、光を当てなくとも、年々色を帯びてくそうですから、

瓶内でも、稀に見える色がついても不思議ではないと考えます。

(光の吸収による色を持つものも有りそうですが、

ここは、健全な熟成を考える上での話なので、

光の吸収による劣化の色などは、省いておきます。)

さて、泡盛熟成の色の成分。

これは、高級脂肪酸?

脂肪酸というと、広い意味で油脂や脂質などの成分。

油なので、薄い黄色を帯びていているのが通常。

その酸化や重合、他の成分との結びつきで、エステル化となれば、

間に見える色を持つ可能性もある・・・。

ポリフェノールの代わりとは言いませんが、

ワインの色変化に対する成分があるとすれば、高級脂肪酸の変化かも・・・

という話でした。


長くなりましたが、もう少し続けます。


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Posted by 住職 at 08:00│Comments(0)泡盛
 
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