2025年05月23日

陶器と酒

陶器と酒

写真は、島武己さんの酒器です。

芸術の話をすると、人為的か偶然か?という課題は大きいと思います。

島さんは、「質感」の話をよくしていましたが、

「自然に感じるか?」それとも、人為的に狙ったことが分かり、「イヤらしく思えるか?」

人間は欲深く、いいものを作ろうとすると、やっぱり、イヤらしさが表れる・・・。

自然の中には、そんなことは無い・・・。

その違いを感じさせないものを、人が作れるか?というテーマ。

それは、かなり難題だと思います。

例えば、曜変天目。

あれは、数万の茶碗から、3つしか無い!と言われていますが、

自然に出来たものか?火の偶然が生んだ芸術か?

もしかすると、人為的に狙って出た作品か?

専門家でも、人為的!と指摘する人がいます・・・。

それを言うと、ほとんどの人が「偶然」しかない!と言ったから、国宝!と話しますが、

知見では、釉薬が2重に塗られ、2度焼きという話もある・・・

自然と人為の堺が分からない・・・というのが、芸術にはある。

島さんの作品にも、そんなテーマを感じます。

芸術って不思議な世界です。


一方、泡盛の古酒も、科学的に古酒化を早める方法が研究されてきた。

つまり、人為的に古酒香が出ないか?などの研究。

作られた風味に、偽物と言う人、それも古酒香!という人。

本物と違うもの、との堺が分からなくなっているのは、

悲しくもあり、それは技術の成果でもある・・。

甕の香りや、樽の香り、容器の香りは、人為的ですか?

長い歴史は、それも良し!としている。

いつから?というのも、考える人はいませんが、

面白い話です。

泡盛の周辺は楽しい・・・。



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Posted by 住職 at 22:00│Comments(1)陶芸
この記事へのコメント
島さんのオブジェを見ると、自然を感じます。
子供の頃に見てた森や岩など、最近は自然が少なくなったか、自分が自然に接してないのか、オブジェを見て久々に自然を感じました。
Posted by しろくま at 2025年05月24日 01:07
 
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