2010年09月16日
クースの日のイベント 3
クースの日のイベントでは、「山原島酒の会」の島袋会長に続き、
トロピカルテクノセンター(TTC)から塚原氏も講演を行いました。
内容は、クースにまつわる研究結果。
クースを持つ上で、重要な研究結果に、私を含め皆さん興味津々・・・。
先ずは、科学的ナ解明が「おいしいクース」とは言えません・・・と断わって講演開始。
(美味しいかは、個人の主観。研究結果は必ず美味しくなるとは言えません・・・納得!)
クースの熟成成分の解明に、代表香であるバニリンに目を付け研究した結果、
クース管理の重要な「仕次ぎ」のヒントとして、
1年1回10%が、バニリン量が増加する結果を得ています。との事でした。
写真の表の他にも、仕次ぎ量を変え、5%、20%50%なども調べ、
最もバニリンの増える仕次ぎ量は10%という結果を得ているそうです。
ただし、バニリンに代表するクース香は200以上あるそうですから、
一概にその方法がベストとは言えない!と添えていましたが、十分参考になります。
また、バニリンが酸化して無臭のバニリン酸に変化することは、
実験中は見られず、バニリンの香りは長くに保たれるとの話もありました。
注目すべきは、グラフの初期のバニリン量の伸び(黒)。
1~2年で大きく伸び、その後は、7年でわずかに右上がりに伸びています。
バニリンは、初期(2年以内)で大きく生成されていることが理解できます。
しかし、クース香として、我々の鼻でハッキリと解るのは、何故でしょうか?
私は、10年以上掛かっていると感じます。
そのことからすれば、やはり他の香りに押され、
人それぞれで、感じ方が違うと理解できそうです。
そして、人には、感じる香り・・・香りの好き嫌いがあるので、
バニリン量にクースを探るには、訓練が必要だと思いました。
このほかにも、代表的な香りの一つには、
「1-オクテン-3-オール」(マツタケオール)があります。
バニリンに比べ生成が遅いのか?と思っていたのですが、
これも、バニリンに習うと、他の香りに押されて感じていないだけなのかも・・・です。
いずれにしても、クースの香りの変化は、200以上の香りの中で、
代表的な香りを感じているにしか過ぎないのか?と思いました。
最後に、上記した2つの香りは、クースの熟成香の最終段階なのか?
そのことで、「ソトロン」という成分が、香りの最終生成成分なのかも知れない?
という話を、泡盛マイスターの講師だった、杵鞭先生に聞きました。
興味深い話ですね。
Posted by 住職 at 08:14│Comments(6)
│イベント
この記事へのコメント
住職さん、大変ご無沙汰しております。
図3のしつぎとバニリン濃度の変化グラフは大変興味深いです。
今後のしつぎ方法の参考になりますね。
10%が一番濃度上昇が多いというのは、古酒を育てている方々の経験的な数値とも近いところが面白いです。
その他にも、色々な要素があるのでしょうね。
私が興味のある実験として、毎年しつぎはしないで、新鮮な空気に触れさせただけの場合、バニリン等の濃度がどのように変化していくか?というものがあります。
TTCさんで、すでにデータがあるのでは?
未実施ならば、是非試してみて欲しいです。
相変わらず、沖縄では色々なイベントがあって羨ましい限りです。
参加したいな~...。
図3のしつぎとバニリン濃度の変化グラフは大変興味深いです。
今後のしつぎ方法の参考になりますね。
10%が一番濃度上昇が多いというのは、古酒を育てている方々の経験的な数値とも近いところが面白いです。
その他にも、色々な要素があるのでしょうね。
私が興味のある実験として、毎年しつぎはしないで、新鮮な空気に触れさせただけの場合、バニリン等の濃度がどのように変化していくか?というものがあります。
TTCさんで、すでにデータがあるのでは?
未実施ならば、是非試してみて欲しいです。
相変わらず、沖縄では色々なイベントがあって羨ましい限りです。
参加したいな~...。
Posted by keipapa at 2010年09月16日 09:35
keipapaさんお元気ですか?
クース好きには、たまらない実験を、
仕事でしているTTCさんが羨ましいのは、
私だけではないと確信しています。
質問の件は、図3の「仕次ぎなし」のグラフとは、
意味が異なるのでしょうか?
10%と比較されているのは、
毎年、開けてデーダの為に、酒を取っています。
空気には触れて、密封されているのですが、
「仕次ぎはしない」という事になっていませんでしょうか?
質問の意味が違うのでしたら、
もう一度、コメント願います。
クース好きは、考えていることが深いので、
少しの違いも参考になります・・・。
クース好きには、たまらない実験を、
仕事でしているTTCさんが羨ましいのは、
私だけではないと確信しています。
質問の件は、図3の「仕次ぎなし」のグラフとは、
意味が異なるのでしょうか?
10%と比較されているのは、
毎年、開けてデーダの為に、酒を取っています。
空気には触れて、密封されているのですが、
「仕次ぎはしない」という事になっていませんでしょうか?
質問の意味が違うのでしたら、
もう一度、コメント願います。
クース好きは、考えていることが深いので、
少しの違いも参考になります・・・。
Posted by 住職 at 2010年09月17日 06:29
住職さん、失礼しました。仰るとおりです。
図3の「しつぎなし」のグラフが私の求めるものでした。
イメージしていたものと若干違っていたものですから、
見落としてしまいました。
やはり少しずつですが、変化していくんですね...。
7年目あたりでしつぎを開始する方がいらっしゃるのも、
頷ける話です。人間の感覚とは、凄い物ですね。
このグラフのデータは、バニリンに特化したものですが、
この7~8年の間に他の成分も変化していくわけですね。
何となく自分流の育て方のヒントが掴めてきたように思えます。
でも、このような「定量的」なデータを提供して下さるTTCさんには
大変感謝しております。本当に勉強になります!
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
そして、ブログで紹介して下さる住職さんには、大感謝です!!
さて、「夢」のプログラムに取り組みましょうか。
図3の「しつぎなし」のグラフが私の求めるものでした。
イメージしていたものと若干違っていたものですから、
見落としてしまいました。
やはり少しずつですが、変化していくんですね...。
7年目あたりでしつぎを開始する方がいらっしゃるのも、
頷ける話です。人間の感覚とは、凄い物ですね。
このグラフのデータは、バニリンに特化したものですが、
この7~8年の間に他の成分も変化していくわけですね。
何となく自分流の育て方のヒントが掴めてきたように思えます。
でも、このような「定量的」なデータを提供して下さるTTCさんには
大変感謝しております。本当に勉強になります!
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
そして、ブログで紹介して下さる住職さんには、大感謝です!!
さて、「夢」のプログラムに取り組みましょうか。
Posted by keipapa at 2010年09月17日 09:22
最後の一行には、涙がでます。
TTCさんの研究は、多くのファンが興味を持つ所。
科学的な解明は、役に立ちますよね。
民間の研究なので、経費支援の得られる、
酒造所の要望が中心ですが、研究結果は、
個人の「クース造りのお手伝い的データ」というより、
定期的に新酒を購入しておかなければ・・
といった印象が残ります。
泡盛の売上にも良い傾向ですね。
TTCさんの研究は、多くのファンが興味を持つ所。
科学的な解明は、役に立ちますよね。
民間の研究なので、経費支援の得られる、
酒造所の要望が中心ですが、研究結果は、
個人の「クース造りのお手伝い的データ」というより、
定期的に新酒を購入しておかなければ・・
といった印象が残ります。
泡盛の売上にも良い傾向ですね。
Posted by 住職 at 2010年09月17日 11:27
「新酒を定期的に購入しておかなければ..」というのは私も同感です。
とても大切な気がします。
何かを始めると際限ない世界ですが、許される範囲で頑張ろうと思います。
...泡盛様のスペース......悩み所です(T_T)
住職さんのお宅は、広いのでしょうね...。羨ましい限りです。
住職さん、また遊びに来ます!
とても大切な気がします。
何かを始めると際限ない世界ですが、許される範囲で頑張ろうと思います。
...泡盛様のスペース......悩み所です(T_T)
住職さんのお宅は、広いのでしょうね...。羨ましい限りです。
住職さん、また遊びに来ます!
Posted by keipapa at 2010年09月17日 20:40
私の家は広くないですよ・・。
酒は別の場所にも置いてあります。
いずれにせよ、嫁の協力無しでは出来ません・・・。
酒は別の場所にも置いてあります。
いずれにせよ、嫁の協力無しでは出来ません・・・。
Posted by 住職 at 2010年09月19日 07:50